企画のコアを研ぎ澄ますこと

企画書はページ数の多いものよりも、A41枚くらいにまとめるべきという考え方に出会うことがあります。実際には書式が指定されていたり、RFPに書かれている内容がどうやっても1枚にはおさまらないケースが多いですが、この考え方は『企画書は1行』に書かれていることと共通していて、1枚というよりは1行で言えるような企画のコアの部分を研ぎ澄ますことに注力すべきということだと思います。1行で何をやるのかが明確に分かり、かつ説得されるほどの力があれば、伝わりやすく実行イメージも沸きやすいためです。

本書はキリン「氷結」商品開発者、サントリー「マカ」広報に携わっている方、ナムコの「フードテーマパーク」プロデューサーから、元警察庁長官マネックス証券社長、レストラン「ル・マンジュ・トゥ」オーナーシェフなど、職業も企画する内容、企画を提出する相手も異なる方々へのインタビューで構成されています。個人的には「マカ」広報の斎藤さんの、健康食品の効能効果を謳うのではなく、開発している社内の方のエピソードを面白おかしくエッセイとして書くという話が興味深かったです。

企画書の作り方や活用の仕方はそれぞれに違いますが、企画のコアとなる1行を研ぎ澄ますことの重要性、という点は全てのエピソードに共通して表れています。企画のコアを練らずに企画書を作ると、どうしてもあれこれ入れた総花的なものになってしまいがちなので、企画のコアの部分を練り上げて、何をしたいかが明確に分かるようにすることは忘れないようにする必要があると思います。

企画書は1行 (光文社新書)

企画書は1行 (光文社新書)